デザインイメージを発注時にしっかりと伝えることは、満足のいく仕上がりを得るためにとても重要です。曖昧なままで発注すると、仕上がりが自分のイメージと異なることが多くなってしまいます。そこで、デザインイメージを具体的に伝える方法について解説します。
デザインをイメージ通りに仕上げてもらうためのポイント

デザイン制作を依頼するときに、よくある問題は『思っていた通りのデザインが仕上がらなかった』ということです。デザインは言葉では表現しにくいため、伝え方が難しい面があります。クライアントの抽象的な表現や、デザイナーの解釈によって、仕上がりが全く異なることもよくあります。そこで、こうした問題を防ぐために、事前にできる準備についてご紹介します。
1. プロジェクト全体の情報共有
まずは「プロジェクト全体の情報共有」が重要です。
プロジェクト全体の概要を最初に共有することで、デザインのイメージのズレを防ぐことができます。これは忘れられがちな工程ですが、とても大切です。
プロジェクトには「ターゲット」「公開場所」「スケジュール」など、さまざまな要素が関わっています。これらの情報はデザインに大きく影響するため、必ず共有しましょう。例えば、ターゲットによって好まれる色やスタイルが異なりますし、公開場所(媒体)によっても適した表現方法が変わってきます。
これらの情報を共有することで、デザイナーが「受け手側の視点」を考慮してデザインを作ることができます。ですので、プロジェクト全体の概要を最初に共有することが大切です。
2.イメージの具体化
よくある問題は、抽象的な言葉を使うことでイメージが曖昧になってしまうことです。抽象的な表現は解釈が人によって異なるため、結果として「思っていたデザインと違う」と感じることにつながります。
たとえば「おしゃれ」という言葉には、「洗練されたおしゃれ」という意味もあれば、「カジュアルで親しみやすいおしゃれ」という意味もあります。
最も効果的な対策は、実際のデザイン例を使うことです。
言葉だけでなく、画像を使ってイメージを伝えることで、認識のズレを減らすことができます。もし言葉で伝える場合は、具体的な例を挙げて説明するのが良いでしょう。
3.デザインの下書き(ラフ)準備
前述の2つの準備ができていれば十分な場合も多いですが、さらにこだわりたい場合は、デザインの下書きを用意すると良いでしょう。形式にこだわる必要はありませんが、「制作物で伝えたい内容」や「最も強調したい情報」などを盛り込むことが重要です。また、これによりディレクション費用の削減といったメリットもあります。
デザイナーとイメージを共有するためのコツ

人によって意味が変わるような曖昧な言葉は、できるだけ避けましょう。
たとえば、ある人が見て「鮮やか」と感じる色でも、別の人には「派手すぎる」と感じられるかもしれません。このように、人によって感じ方が異なる言葉を使うのは、あまり適切ではありません。
たとえば、ターゲットがはっきり決まっていないと、イメージを共有するのが難しくなります。誰に向けたデザインなのかが分からないと、デザイナーがその人たちに響くデザインを考えにくくなってしまうからです。
ラフスケッチはイメージを目で見える形にするので、デザインの共有にとても役立ちます。たとえば、ターゲットの詳細を文章で説明しようとすると、情報が増えて複雑になってしまうことがあります。ラフスケッチがあれば、シンプルに視覚的に伝えることができ、複雑にならずに細かい情報を共有できます。
デザインのイメージを伝えるときに使う言葉
ここでは、よく使われる言葉をご紹介します。



デザインを依頼する時のポイント

1. ラフスケッチを添える
まず、ラフスケッチを用意してデザイン依頼に添えることです。スケッチは簡単なもので構いませんが、デザイナーにイメージを伝える助けになります。
2. 目的を明確にする
次に、デザインの目的をはっきりさせることが大切です。デザインの狙いが曖昧になると、意図が伝わりにくくなります。例えば、広告デザインの場合、来店や商品購入が目的となります。このような目的をしっかりと共有しておきましょう。
特にウェブサイトやランディングページでは、目的の明確化が重要です。以下のような目標を設定すると良いでしょう。
- 購入率の向上
- アクセス数の増加
- 問い合わせの増加
3. イメージを具体化する
次に、与えたいイメージを具体的に伝えることが大事です。抽象的な表現を避け、できるだけ具体的な例を使って説明しましょう。
4. 参考になる画像やサンプルを用意する
次に、イメージに近い画像やサンプル、参考物を用意しましょう。ラフスケッチと同じく、視覚的な情報共有ができるので効果的です。参考画像は5枚程度用意すると、1枚に影響されすぎることがなく、バランスよくイメージを伝えることができます。
5. 完成を一緒に祝う
最後に、デザインが完成したら一緒に祝うことです。オンラインでのやり取りが多いかもしれませんが、完成を共に祝うことで達成感が得られ、今後の良い関係づくりにつながります。
「仕事が終わったらそれでいい」と思うかもしれませんが、今後もお互いに関係が続くかもしれません。ぜひ、完成を一緒に喜びましょう。
まとめ:伝える力が、理想のデザインを生み出すカギになる
デザイン制作を成功させるためには、「デザイナーに任せきりにしないこと」が大切です。満足のいく仕上がりを実現するには、発注側の情報整理とイメージの共有が不可欠です。
プロジェクトの目的・ターゲット・使用シーンをしっかり伝え、イメージが曖昧にならないようにラフスケッチや参考資料を活用して視覚的に共有することが、最も効果的です。
また、依頼時には「何をどうしたいか」を具体的に言葉にして、抽象的な表現は避けましょう。完成後には、その成果を一緒に喜ぶ姿勢が信頼関係の構築につながり、今後のクリエイティブパートナーシップをより良いものにしてくれます。
伝える工夫こそが、クリエイティブの精度を高める第一歩。ぜひ今回のポイントを活かして、理想のデザインを実現してください。